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きっかけは十人十色
第6章 予期せぬ再会②
落ち込む俺を見かねて、田嶋先輩が飲みに誘い出してくれた。
「…なるほどね。大体話は分かった」
しかしなかなか強烈だな、と溢した後で、
「ただの勘だけどさ、たぶん連絡をくれるとは思うよ」
と枝豆をつまみながらボソッと漏らした。
「根拠はなくてまったくの勘だけどな。でもあのタイプの顔立ちの人はすっぽかしたりしないよ」
田嶋先輩はそう言葉を続けた。
木山さんの少したれ目がちで、長く伏せられた睫毛と、ナチュラルな太さの平行眉を思い浮かべた。
「連絡貰ったところで、返事は分からないじゃないですか」
「まぁ、そこは運を天に任せるしかないよな。万一付き合えなかったら縁がなかったってことだろ?んで、めでたく付き合えたら相手を大事にすれば良いだけの話」
「そりゃ、そうですけど…」
「しかし後ろ向きだねぇ」
「…すみません」
「ま、いいんじゃないの」
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