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きっかけは十人十色
第10章 実質の初デート
「そう睨むなよ。彼氏さん、こいつめんどくさい女だから覚悟した方がいいよ。じゃあな」
アリオカ、と呼ばれたそいつは言いたいことだけ言うと、立ち去っていった。
木山さんは拳を作って下を向いている。
「…櫂、ごめんね。やっぱり今日は帰る」
「え…」
「ごめんなさいっ」
言うが早いか、木山さんはヒールの音を響かせて走り去っていった。
えー…と。
映画デートして、コーヒー飲んでまったりする予定がまさかの元彼に遭遇して、“やっぱり帰る”と俺はここに取り残された、と。
混乱する頭の中、必死に状況を整理した。
足元を見ると、パールのイヤリングが片方落ちていた。木山さんの物だ。
そっと拾い上げて、ボディバッグの内ポケットにしまいこんだ。
アリオカ、と呼ばれたそいつは言いたいことだけ言うと、立ち去っていった。
木山さんは拳を作って下を向いている。
「…櫂、ごめんね。やっぱり今日は帰る」
「え…」
「ごめんなさいっ」
言うが早いか、木山さんはヒールの音を響かせて走り去っていった。
えー…と。
映画デートして、コーヒー飲んでまったりする予定がまさかの元彼に遭遇して、“やっぱり帰る”と俺はここに取り残された、と。
混乱する頭の中、必死に状況を整理した。
足元を見ると、パールのイヤリングが片方落ちていた。木山さんの物だ。
そっと拾い上げて、ボディバッグの内ポケットにしまいこんだ。