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きっかけは十人十色
第11章 3年半前の記憶
走って来た勢いそのままにドアを開けて、オープントゥのパンプスを脱ぎ捨てて洗面台に直行した。
巻いた髪は崩れて広がり、まるでメドゥーサ状態。
お化粧も汗で崩れてしまっている。
眉はまだ少しつり上がっていた。
我ながらひどい顔だ。
鏡の中の自分に自嘲気味になったところで、ふと気づいた。
「え…。嘘、片方ない…」
新調したばかりのイヤリング。
昨日、仕事が終わってから駅ビルの雑貨屋さんに寄って買ったものだ。
走ったせいで、どこかで落としたに違いない。
やっぱり帰る―なんて、あんな、理由にもなっていない訳の分からない言葉で櫂を置き去りにしてしまった。
ちゃんと説明して謝らなければいけない。
謝って許して貰いたいわけじゃないけど、納得の行く説明ができるか自信がない。
ソファに移動して、あれこれ考え込む内にいつの間にかウトウトと寝てしまった。
巻いた髪は崩れて広がり、まるでメドゥーサ状態。
お化粧も汗で崩れてしまっている。
眉はまだ少しつり上がっていた。
我ながらひどい顔だ。
鏡の中の自分に自嘲気味になったところで、ふと気づいた。
「え…。嘘、片方ない…」
新調したばかりのイヤリング。
昨日、仕事が終わってから駅ビルの雑貨屋さんに寄って買ったものだ。
走ったせいで、どこかで落としたに違いない。
やっぱり帰る―なんて、あんな、理由にもなっていない訳の分からない言葉で櫂を置き去りにしてしまった。
ちゃんと説明して謝らなければいけない。
謝って許して貰いたいわけじゃないけど、納得の行く説明ができるか自信がない。
ソファに移動して、あれこれ考え込む内にいつの間にかウトウトと寝てしまった。