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きっかけは十人十色
第11章 3年半前の記憶
『宗輔、別れるって何で…』
『重いんだよ、お前』
『え…』
『俺が会えるって連絡入れたら、自分の予定変更してでも会おうとしてただろ』
『それは…会えるなら会いたいって思って』
『男はさ、ゆっくり休む自分の時間も必要なわけ。無理して会って欲しいなんて言ったことないし。察しろよな』
『そんなこと言われたって…忙しくてなかなか会えないから…。でも会えるって言うから』
『何?俺のせい?』
『そんなつもりじゃ…』
『あのな。そうやってすぐに目潤ませるのも重いわけ。分かる?』
『…っ』
我慢しようとすればするほど、視界はだんだんとぼやけてきて、ついには溢れてしまった。
『態度で俺が悪いって言ってるんだよ。泣けば何とかなると思ってんだろ。いい加減にしろよな』
突然の別れ話に驚いたのと悲しいのとで混乱して涙が出てしまったけれど、一方的に言われて悔しい気持ちが沸々とわいてきて、しばらくして涙は収まった。
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