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きっかけは十人十色
第12章 偶然の後押し
改札を抜けて、駅のホームのベンチに腰を下ろした。
「悪いね、帰る道中に。人の恋愛事情はどうでもいいとは思うんだけど、柴崎の仕事のパフォーマンスに影響が出ると厄介だなって思って。コンビで得意先回ることが多いからね。それなりに付き合いもあるから、知り合った経緯も柴崎から聞いてるんだ」
「そう、なんですね…」
「週末は上機嫌で帰ってたのに、週始めからどこか項垂れてるから、何かあったなと思って今日も問い質したんだけど。分かりやすい奴だからね」
「それは、その…すみま「ストップ」
言いかけた言葉を静止させられて、ぐっと口をつぐんだ。
「謝るのは俺にじゃないっていうのは分かるよね?」
つぐんだ口の形のまま、頷きを返した。
「まぁ、理由を推測はできても本人の口から語られない限りは分からないからね。切り出しにくいとは思うけど、話すなら早い方がいいよ。えーと…」
「木山です」
「木山さんね」
「悪いね、帰る道中に。人の恋愛事情はどうでもいいとは思うんだけど、柴崎の仕事のパフォーマンスに影響が出ると厄介だなって思って。コンビで得意先回ることが多いからね。それなりに付き合いもあるから、知り合った経緯も柴崎から聞いてるんだ」
「そう、なんですね…」
「週末は上機嫌で帰ってたのに、週始めからどこか項垂れてるから、何かあったなと思って今日も問い質したんだけど。分かりやすい奴だからね」
「それは、その…すみま「ストップ」
言いかけた言葉を静止させられて、ぐっと口をつぐんだ。
「謝るのは俺にじゃないっていうのは分かるよね?」
つぐんだ口の形のまま、頷きを返した。
「まぁ、理由を推測はできても本人の口から語られない限りは分からないからね。切り出しにくいとは思うけど、話すなら早い方がいいよ。えーと…」
「木山です」
「木山さんね」