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きっかけは十人十色
第12章 偶然の後押し
にっこりと笑みを返され、足を組んだ上に鞄を置いて、サラサラとメモを書き出した。
「ということでこれあげるね」
「あの…?」
差し出されるまま受け取ってしまった。メモには住所と、アパート名と部屋番号が書かれている。
「俺より一時間くらい先に会社出たから帰ってると思うよ。エントランスで部屋番号押すとインターフォン繋がるから」
なるほど。合点がいった。
偶然とは言え、せっかく手にした機会をふいにしてはいけない。
「あ、ありがとうございます」
「お節介かも知れないけど、可愛い後輩の為って言うの?それと美人の女の子には甘いんだよね~、俺」
反応に困って曖昧な笑顔を返すと、
「頑張ってね」
と、再び笑みを向けられ、ひらひらと手を振って見送られた。
やがて来た電車に乗り込んで、大丈夫、大丈夫…。と心の中で唱えて、緊張を解こうと気持ちを落ち着かせる。
口一杯に息を吸い込んで、ふーっと吐き出した。
「ということでこれあげるね」
「あの…?」
差し出されるまま受け取ってしまった。メモには住所と、アパート名と部屋番号が書かれている。
「俺より一時間くらい先に会社出たから帰ってると思うよ。エントランスで部屋番号押すとインターフォン繋がるから」
なるほど。合点がいった。
偶然とは言え、せっかく手にした機会をふいにしてはいけない。
「あ、ありがとうございます」
「お節介かも知れないけど、可愛い後輩の為って言うの?それと美人の女の子には甘いんだよね~、俺」
反応に困って曖昧な笑顔を返すと、
「頑張ってね」
と、再び笑みを向けられ、ひらひらと手を振って見送られた。
やがて来た電車に乗り込んで、大丈夫、大丈夫…。と心の中で唱えて、緊張を解こうと気持ちを落ち着かせる。
口一杯に息を吸い込んで、ふーっと吐き出した。