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きっかけは十人十色
第13章 突然の来訪
ピンポー…ン
何となく控えめにインターフォンの音が鳴った。
モニターは数週間前から調子が悪く、映らない。管理会社に言って直して貰わないといけないのだが、面倒でつい後回しにしてしまっていた。
でも、こんな時間に誰だ?
宅配が届く予定もない。
首をかしげながら、インターフォンの向こうに声をかけた。
「はーい、どちら様ですか?」
「…詩乃です」
少しトーンを落として、遠慮がちに返答があった。
あれ?俺、家の場所教えたっけ?…教えてないよな。4丁目だとは言った覚えはあるんだけど、何で知ってるんだ?と疑問が浮かんだ。いや、それは今は問題ではない。
「ごめんなさい、こんな時間に。一昨日の…謝らせて下さい」
と用件が告げられた後で、
「もし、声聞きたくなくて顔も見たくなかったら、帰れって言って」
声の固さから、覚悟を決めてここに来たことが窺えた。
ここで帰したら、人でなしだろう?
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