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きっかけは十人十色
第13章 突然の来訪
「か、い…」
腕の中で身動ぎをして、涙を溜めた真っ赤な目で見上げられた。
…ヤバい。この超至近距離でこのアングル。破壊力がありすぎる。
衝動的に唇を重ねていた。
「んっ、…ふ…」
柔らかい唇を啄むように、何度も、何度も。
「ぁ…」
少し空いた隙間から舌を差し入れて、より深く口づける。
感じてくれているのか、力が抜けかけてきていた身体がまた強張ったと思ったら、腕の中で、肩をトントンと叩かれた。
苦しかったか―…?いや、性急だったか。
唇を離すと、
「あの…足…が痺れちゃって…。このタイミングで申し訳ないんだけど…」
恥ずかしそうに目を臥せて、消え入りそうな小さな声で言われた。
そうだ、そういえばずっと正座をしていた。
髪を撫でて、抱き締めていた手を離して木山さんの肩にそっと乗せた。
「体勢変えれそう?向き変えてゆっくり足伸ばして。背中、俺の身体に預けていいから」
「うん…」
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