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きっかけは十人十色
第15章 接近と交差②
木山さんを夜中に帰すのは忍びなくて、同じベッドで眠った。
熟睡できるはずもなく、それでもウトウトと眠り始めた頃に、控えめに肩口を叩いて起こされた。
「…櫂、櫂?」
「…ん…」
「ごめんね、起こしちゃって」
「いや…大丈夫」
かぶりを振ってベッドから半身を起こそうとすると、
「いいの。寝てて」
肩に手を置いて、やんわりと制された。
「私、家に戻ってシャワー浴びて仕事行く仕度しなきゃ。帰るね」
「うん…」
「櫂も仕事でしょ?火曜日だし」
「うん、頑張って…。行ってらっしゃい。…あ、気を付けて」
まだ上手く回らない頭でふにゃふにゃと答えると、
ギシ…とベッドが軽く音を立てて、顔が近づいてきたかと思うと、唇に柔らかい感触が落とされた。
「じゃあね。時間見つけて連絡する」
そのまま寝室を出て行って、パタン…とドアが閉まる音を聞いてからもなかなか寝付けなかった。空が明るくなり始めた頃に、ようやく一時間ほど眠ることができた。
熟睡できるはずもなく、それでもウトウトと眠り始めた頃に、控えめに肩口を叩いて起こされた。
「…櫂、櫂?」
「…ん…」
「ごめんね、起こしちゃって」
「いや…大丈夫」
かぶりを振ってベッドから半身を起こそうとすると、
「いいの。寝てて」
肩に手を置いて、やんわりと制された。
「私、家に戻ってシャワー浴びて仕事行く仕度しなきゃ。帰るね」
「うん…」
「櫂も仕事でしょ?火曜日だし」
「うん、頑張って…。行ってらっしゃい。…あ、気を付けて」
まだ上手く回らない頭でふにゃふにゃと答えると、
ギシ…とベッドが軽く音を立てて、顔が近づいてきたかと思うと、唇に柔らかい感触が落とされた。
「じゃあね。時間見つけて連絡する」
そのまま寝室を出て行って、パタン…とドアが閉まる音を聞いてからもなかなか寝付けなかった。空が明るくなり始めた頃に、ようやく一時間ほど眠ることができた。