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きっかけは十人十色
第18章 さじ加減は
例えば、『悪いけど木山さんお茶入れて貰える?』とか一言あれば気持ちよく入れるのに、明らかに暇でしょ的な視線向けられて腹立たしくて。もちろんお客様には『どうぞ』って笑顔向けてお茶出ししたけど。そのくせ、戻って来たら『ごめんね、ありがと~』って、順番違うでしょ、もー!…っていうしょうもない話なんだけど…』
途中からヒートアップして早口気味だったのに、話し終わった途端にトーンダウンした様子がおかしくて、悪いとは思いつつこっそり笑ってしまった。
「…まぁ仕事とは言え、一言欲しいよね」
『でしょ?こんなので腹立つ自分もどうなのよって思うんだけど。折り返して貰った電話で長々と話しちゃってごめんね。…もしかして帰ってきたばっかりだった?』
「あー…、うん。ご飯作ろうと思ってたとこ」
『…あの、良かったらこれから行っていい?キッチン借りて構わないなら私が作ろうかなって思ったんだけど』
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