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きっかけは十人十色
第18章 さじ加減は

「ごちそうさまでした」
木山さんが作ってくれた豚肉のしょうが炒めは甘辛くて、少しとろみがついていた。そこに、せん切りにされたキャベツと人参がふんわりと添えてあった。味噌汁はいつものインスタントだが、戸棚に入っていたとろろ昆布と乾燥わかめを足してくれて、それだけで磯の香りが増して、違うものを飲んでいるかのような気がした。
冷蔵庫の残りもので手際よく作られたそれらは、ペロリと胃袋におさまった。
「お粗末様でした。良かった、全部食べてくれて。味どうだった?」
「ちょうど良かったよ。美味しかった」
少しはにかんだような笑みを浮かべている。
「あ。洗い物終わったら飲みもの入れるけど、お茶とコーヒーどっちがいい?」
「コーヒーがいい。温かいの」
「ミルクと砂糖は?」
「両方入れて。ちょっと砂糖多めだと嬉しいかも」
「分かった。ちょっと待ってて」
「うん」
頷いた木山さんの頭をふわりと撫でて、キッチンへと向かった。
木山さんが作ってくれた豚肉のしょうが炒めは甘辛くて、少しとろみがついていた。そこに、せん切りにされたキャベツと人参がふんわりと添えてあった。味噌汁はいつものインスタントだが、戸棚に入っていたとろろ昆布と乾燥わかめを足してくれて、それだけで磯の香りが増して、違うものを飲んでいるかのような気がした。
冷蔵庫の残りもので手際よく作られたそれらは、ペロリと胃袋におさまった。
「お粗末様でした。良かった、全部食べてくれて。味どうだった?」
「ちょうど良かったよ。美味しかった」
少しはにかんだような笑みを浮かべている。
「あ。洗い物終わったら飲みもの入れるけど、お茶とコーヒーどっちがいい?」
「コーヒーがいい。温かいの」
「ミルクと砂糖は?」
「両方入れて。ちょっと砂糖多めだと嬉しいかも」
「分かった。ちょっと待ってて」
「うん」
頷いた木山さんの頭をふわりと撫でて、キッチンへと向かった。

