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きっかけは十人十色
第19章 心配りの大切さ
近頃はお互い帰宅してから、電話で話すのが日課になりつつあった。頻度としては2日か3日おきくらいだ。
「お疲れ様」
『櫂もお疲れ様』
「ご飯食べた?」
『うん。さっき洗い物済ませたとこ』
「そっか。じゃあ後はゆっくりだね」
フフ、とくすぐったそうに笑う声が聞こえた。
『あのね、全く話変わるんだけど』
「うん?」
『その……、前から考えてたんだけど、デート仕切り直したいなって思って』
「えっ」
一瞬、嬉しさに頬が緩んだものの、そういえば仕事が忙しくなりそうだったことを思い出してあちゃー、と顔をしかめた。
『あ、もちろん近々(きんきん)でとかじゃないの。都合が合えばで良いから』
気のせいか、少し早口気味に聞こえた。
「ごめん、新規案件が入ってて仕事が忙しくなりそうなんだ。目処ついたらになると思う……じゃなくてなっちゃう」
『そっか、うん。分かった』
「ごめんね?」
『ううん。だって、仕事が忙しいのは良いことじゃない?』
「お疲れ様」
『櫂もお疲れ様』
「ご飯食べた?」
『うん。さっき洗い物済ませたとこ』
「そっか。じゃあ後はゆっくりだね」
フフ、とくすぐったそうに笑う声が聞こえた。
『あのね、全く話変わるんだけど』
「うん?」
『その……、前から考えてたんだけど、デート仕切り直したいなって思って』
「えっ」
一瞬、嬉しさに頬が緩んだものの、そういえば仕事が忙しくなりそうだったことを思い出してあちゃー、と顔をしかめた。
『あ、もちろん近々(きんきん)でとかじゃないの。都合が合えばで良いから』
気のせいか、少し早口気味に聞こえた。
「ごめん、新規案件が入ってて仕事が忙しくなりそうなんだ。目処ついたらになると思う……じゃなくてなっちゃう」
『そっか、うん。分かった』
「ごめんね?」
『ううん。だって、仕事が忙しいのは良いことじゃない?』