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きっかけは十人十色
第21章 市場調査
パラパラと書類を捲って、ざっと枚数を数えた。20枚超くらいだろうか。
ただ捲るという動作でも指に負荷がかかる。
昼までに終わるのか、これ。
「あ、見た目ほど量ないから。今俺が入れてるのがシート1だから、シート2にそれ入れて。蛍光ペンでマークしてあるとこ」
「分かりました」
ちらりと腕時計を確認した。
11時前か。
渋井工業の見積り案が先だ。
キリの良い所まで作ってしまおうと思い、背筋を伸ばした。
「……柴崎」
「はい?」
「入力するのまだあるからな」
ぽんぽん、と書類の山を叩く。
うげ。口がへの字に曲がりそうなのを何とか堪えた。
「そう言えば、これってどこの分ですか」
「あぁ。篠田(しのだ)興産」
先輩と俺とで担当している顧客だ。
てっきり手間賃として、自分の分を押しつけられたのだと思い込んでいた。
「……頑張ります」
「12時回ったら声掛けるから。それまで私語禁止な」
もう一度腕時計を見ると、唇をぐっと引き結んでPCに向き合った。
ただ捲るという動作でも指に負荷がかかる。
昼までに終わるのか、これ。
「あ、見た目ほど量ないから。今俺が入れてるのがシート1だから、シート2にそれ入れて。蛍光ペンでマークしてあるとこ」
「分かりました」
ちらりと腕時計を確認した。
11時前か。
渋井工業の見積り案が先だ。
キリの良い所まで作ってしまおうと思い、背筋を伸ばした。
「……柴崎」
「はい?」
「入力するのまだあるからな」
ぽんぽん、と書類の山を叩く。
うげ。口がへの字に曲がりそうなのを何とか堪えた。
「そう言えば、これってどこの分ですか」
「あぁ。篠田(しのだ)興産」
先輩と俺とで担当している顧客だ。
てっきり手間賃として、自分の分を押しつけられたのだと思い込んでいた。
「……頑張ります」
「12時回ったら声掛けるから。それまで私語禁止な」
もう一度腕時計を見ると、唇をぐっと引き結んでPCに向き合った。