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恍惚なる治療[改訂版]
第8章 沼に溺れる

「気持ち悪い…」

着ているもの全て洗濯機に放り込んで、熱いシャワーを浴びて気分を鎮めようとするも、下半身はまだ熱を帯びたように上向いている。
深呼吸をしたり、萎えそうな事を考えたりしてようやく鎮まったが、お腹の奥のムズムズは消え去っていない…

出来れば柳川先生と会う前には治まって欲しいものだが…

ーーーーーーー

「こんにちは佐伯さん、久しぶりですね」
「はい…」
「先週はすみませんでした」
「いえ…」

駅で柳川先生と待ち合わせる。
約1ヶ月ぶりに柳川先生と顔を合わせたが、これまでの気持ちが混在して目を合わせられない…

「その服、この前買った服ですよね?」
「そうですよ」

今回の為に前回購入した黒のジャケットとパンツのセットアップを初めて着用した。
上から下まで俺の格好を眺めると、ニコリと笑ってジャケットを軽く引っ張った。

「凄く似合ってます、カッコいいですよ」
「…っ」

ストレートな感想を伝えられて、胸が詰まるような苦しさを覚え、胸の中心を撫でる。

「ありがとうございます…」
「…大丈夫ですか?少し顔色が悪いように見えるんですが…」




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