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恍惚なる治療[改訂版]
第8章 沼に溺れる
グッと距離を縮めて顔を覗き込まれると、体温が上がり鼓動が速くなる…
「ほ、本当に…大丈夫ですから…」
「体調が思わしくないなら、どこかで休憩でもしますか?」
「今は平気です。無理になったら言いますから…」
「分かりました。危なくなったら教えて下さいね、対処しますから」
柳川先生が背中を向けたタイミングで、目を閉じて深呼吸をする。
気分の昂りを押さえ、平静を装い柳川先生の隣へ。
「今から店に行くんですか?」
「いや、今日のお店は6時から予約してます」
「6時…今昼の1時ですよ?待ち合わせるの早くなかったですか?」
夕方からの予約なら、待ち合わせの時間を遅らせても良かったんじゃ…
昼から食べられると思ってたから、普段昼抜きでも平気な胃袋が食物を求めている…
「すみません…少しでも早く佐伯さんに会いたかったので…」
「…っ」
「それに、佐伯さんも人混みに慣れていく必要があるので、この辺りを散策しながら時間を潰しましょう」
柳川先生の独特のペースに気持ちが乱される…
下半身がズキズキと小さく疼く…