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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在
「佐伯さん、いかがでした?」
「最高でした。頭がスッキリしました」
柳川さんと食事をした翌週の日曜日、俺は柳川さんの行きつけのマッサージ店に連れて行ってもらった。
原稿の下書きで煮詰まっていると柳川さんに愚痴ると、リフレッシュを兼ねて出掛けようと誘われ、マッサージ店を紹介してもらった。
「あー、いいアイデアが浮かんできた…今メモしてもいいですか?」
「もちろん…佐伯さんも仕事がありますから、この後ご飯を食べて解散にしましょうか」
「……」
あ、今日は誘わないのか…
……いや、期待してたのか俺は!?
セックスに誘われないだけでショックを受けてるんだ!?
「…佐伯さ…」
「アレ?えっ!?理人くん久しぶり〜!!」
柳川さんの声を遮るように、俺の背後から女性の甘えた声が飛んできて、走ってきた女性が柳川さんの腕に絡み付いた。
何だ、この人…
「凄い偶然〜!理人くんと街中で会えるなんてー」
「そうだね…」
「…この人誰?友達?」
「そうだよ。それより離れてくれないかな?」