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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在

柳川さんがやんわり引き離そうとしても、すぐに纏わり付いて離れようとしない…
「久しぶり」という発言と、柳川さんと密着している感じからして、元カノとか…?

柳川さん、以前は仕事の出来るバリキャリ系の女性が好みと話していたが、目の前に居る女性は緩い雰囲気で、失礼かと思うが柳川さんのタイプとは真逆のような…

「理人くんの友達カッコいいね。お名前何て言うんですか?」
「えっと…」
「彼困ってるだろ?カッコいいからって誰にでも声掛けちゃ迷惑だろ?」
「いいじゃん?」

声の感じと雰囲気から「あの人」の事を彷彿とさせる、正直苦手なタイプ…

柳川さんは彼女の事をよく分かっているような口ぶりをするが…
どうしてだろう、面白くない…

「そうだ、理人くんにハンカチ返すの忘れてたんだけど」
「ハンカチ…?貸してたかな?まあ、別にいいよ、新しいの買ったから」
「貸してもらった物はちゃんと返さないと?ついでに理人くんと友達にコーヒー奢ってあげるね。理人くん付いてきて」




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