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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在

彼女の前では冷静に振る舞おうと努めていたが、やはり彼女にはお見通しだったようだ…

「今は仕事で悩まれてるわけじゃないですよね?1年半傍で見てきたから分かりますよ。何か悩んでる事があるなら、私で良ければ話を聞きますよ」
「………」
「……私じゃ、力不足ですか…」
「違う、そうじゃなくて…」

誰かに聞いてもらえるなら聞いてもらいたい。
でも、相談する内容が内容だから…柳川さんの事を正直に話せば三雲さんに引かれるのは確実だろうな…

「…友達の悩み相談なんだけど…」
「お友達ですか?はい」

「そいつ、ある人から告白されたんだけど、相手が元恋人と話しているのを見てると、胸の奥がモヤモヤして…相手は女性を愛せるけど、そいつは無理で、もしその人が居なくなったらそいつは1人になる…それが怖くて相手を拒絶してしまったって……」

「えっと…お友達が相手に告白された…その相手は女性を愛せるって、その人男って事ですか!?」
「あっ…」



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