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恍惚なる治療[改訂版]
第9章 都合のいい存在

ベッドに戻り、2人並んで寝転がる。
バスタオルを敷いていたお陰で、シーツが汚れて無いので、気持ち良く眠れる…筈も無く…

「佐伯さん、何ガチガチになってるんですか?」
「だって、近いうちにヤルなんて言うから…」
「今から緊張しないで下さいよ。また出来なくなりますよ?」

頭を撫でられ、気分を落ち着かせようとしてくれる柳川さんの心遣いにキュンとした。

「佐伯さん、好きですよ。他の誰よりもあなたを想ってます…」
「俺も…です…」
「佐伯さん、可愛い…また食べたくなってきた…」

冗談とも取れない態度に思わず身動ぎ、柳川さんの胸を押す。

「もう無理です…色々あり過ぎて相手出来ない!」
「すみません。明日も早いからもう寝ましょう」

「佐伯さんの隣で眠れるのは幸せです」
「大袈裟だなぁ…」
「大袈裟じゃありませんよ…この2週間、あなたから返信が来なくて、嫌われていたらどうしようと気が気がじゃ無かった…こうやって今隣に居られるのが奇跡みたいなものなんだ…」

しみじみと語ると、柳川さんにキスをされ抱き締められる。

「明日はどこかで朝ご飯を食べましょうか?何食べたいですか?」
「…ピザトースト」
「了解です」

さっきは大袈裟なんて言ったけど、俺も柳川さんの隣に居られる事に幸せを噛み締めていた…


「おやすみなさい…」
「おやすみなさい」




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