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恍惚なる治療[改訂版]
第11章 晩夏の甘い思い出

「そうだ、俺大事な話があって…」
「大事な話?」
「この前、柳川さんから告白されたのに、俺きちんと返事してなかったって昨日思い出して…」
「その話ですか」

もしかしたら柳川さんも気にしていると思っていたのに、妙にあっけらかんとしている…

「すっかり忘れてたなぁ。佐伯さんが一緒に居てくれるから、OKしてくれてるのかとばかり思ってました」
「す、すみません…あの時は俺も混乱してて…」
「で、どうですか?僕と付き合ってくれますか」

向き合って改めて言われると、恥ずかしくなってくるが、目を逸らさずにしっかりと答えた。

「俺なんかで良かったら、お願いします…」
「ありがとうございます…『俺なんか』ったら言わないで…佐伯さんじゃなきゃダメなんですよ」

キラキラと輝く笑顔で抱き締められ、キスを1つされる。

「僕の告白を嫌がらずに受け入れてくれてありがとう…大事にします…」



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