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恍惚なる治療[改訂版]
第13章 俺に出来る事
卵を焼いて巻いていくところを撮影しながら、これが俺に出来るのか不安になってくる。
弁当箱に唐揚げ等を詰めていき、ご飯を入れて弁当が完成した。
「美味しそうだ…」
「ありがとうございます。基本は佐伯先生お1人で料理してもらう事になるんですけど、大丈夫ですか?」
「うん、もし分からない事があれば、電話で聞くから。ありがとう」
「いえ。これならAさんに喜んでもらえますね」
綺麗に作られた弁当を前に、柳川さんの笑顔が思い浮かび、頰が緩みそうになった…
ーーーーーーー
翌日から料理の練習を始め、メモ通りに調理を進めていく。
「あっつ…」
「アレ?中が少し赤い…引き上げるのが早かったか…」
「うわ、甘い…砂糖多かったか…分量計らないと…」
独り言を呟き、悪戦苦闘しながらも唐揚げは中まで火が通ったサクサクのものが、ブロッコリーも茹で時間をタイマーで測って丁度いい固さに作る事が出来た…
唯一苦労してるのが、卵焼きの巻き方…
味付けはお手本通りに作れるが、フライパンで焼いて巻く際に卵が引っ付いて、スクランブルエッグ状態になってしまう…