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恍惚なる治療[改訂版]
第13章 俺に出来る事
「あなた一筋」だと言ったところで、柳川さんの顔が綻び、満足そうにニヤニヤし始めたのを見て、俺の方が恥ずかしくなってきた…
「好きだとは言えない癖に、そういう甘い台詞はサラッと言っちゃうんだから…」
「それは…本音なので…」
「本音が出るなら『好き』って言っちゃいましょうよ」
「言えませんよ…」
「言って」と濡れた双眼で見つめられ、言葉に詰まる。
俺でさえ、なぜ言えないのか分からない…
いつも喉の奥に「好き」が引っ掛かって、出てきてくれない…
「す、す…」
「……」
「やっぱりダメだ…」
「えー…まぁ、お楽しみは後に取っておきましょうか…」
言い終えると、ソファに押し倒され、首筋に舌を這わせられる…
「んっ!」
「お弁当のお返し、させて下さい…」
「あっ…」
唇を塞ぎながら、シャツのボタンを焦らすように1つずつ外される。
露わになった胸に柳川さんの冷たい手指が這う。
「ん…」
「肌をピンク色に染めて、心拍数も上がってる…期待してますね…」
「柳川さん…ここじゃなくてベッドで…」
「嫌です。今ここで佐伯さんを愛したい…」