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恍惚なる治療[改訂版]
第2章 最初の治療
ガタンガタン…
「あはは…」
「でさ〜…」
「………」
通学途中の女子高生に、OL…
狭い空間に人がひしめき、女性の脚や身体が否応にも目に入り、香水に混じる女性の匂い…
同じ空間に居るだけでも苦しい…早く目的地に着いて欲しい…
俺はギリギリの状態を保ちながら、満員電車に乗っている。
ドアに寄り掛かり、女性と接触しないよう男性を壁にして縮こまっている。
今日は月に1度、連載を持っている雑誌の編集部に原稿を持って行く日となっている。
本来なら、準備を早くに終えてタクシーに乗って、会社に着く予定だった…
だが、こんな日に限って寝坊をしてしまい、更に近場でタクシーが捕まらず約束の時間に間に合わないと判断し、仕方なく電車に乗る事に…
「ぅぅぅ…」
吐きそうになるのを太腿を抓って痛みで堪える…
もし、接触する距離に女性が居たら、我慢出来ずに吐いていただろう…
『次は〜…』
アナウンスが聞こえ、ようやく目的の駅に到着した。
満員電車から解放され、気が緩んでよろけてしまい、電車から出る際に女性と僅かにぶつかってしまった。