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恍惚なる治療[改訂版]
第5章 彼の素顔

担当科が違うと言っても、先生になるとそういうのは気にならないものなんだな…


パフェを食べ終わる頃になると、柳川先生は頭をぐらつかせて眠たそうにしている。

「柳川先生、眠いんですか?タクシー呼びますか?」
「そうですね…お願いします…ここは僕がお支払いしておきますんで、代わりに呼んでいただいてもいいですか?」

タクシーを呼んで、夢の中へ行きかけている柳川先生を支えてタクシーに乗車した。
酔いが回って来たのか、住所を言い終わると俺の肩へもたれかかって、寝息を立て始めた。

大きめのマンションの前に着くと、柳川先生の肩を揺すって起こそうとした。

「先生、着きましたよ?」
「うーん…」
「はあ、仕方ない…」

柳川先生の肩を抱いて、彼の部屋に向かった。
もたもたと玄関の鍵を探して開錠し、部屋に入ってリビングに行こうとすると先生が目を覚ましたようで、顔を上げた。

「……」
「せんせ…」

ガッ…

「うっ!?」

いきなり壁に押し付けられ、背中の痛みに顔を顰めていると、鼻先が触れ合う距離に柳川先生の顔が来た。




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