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第5章 彼の素顔

濡れた綺麗な瞳に魅入られていると、突然唇に柔らかいものが押し当てられた。
それが唇だと認識するまでに時間が掛かった……

「……!?」
「んっ…」

突然の行為に硬直している間も、柳川先生は角度を変えて唇を食み、チュッと吸い付いてくる。

舌で上唇を何度も舐められ、無理矢理唇をこじ開けられそうになった所で、ようやく我に帰って身体を突き離した。

「ちょ、やめて下さいよ！いきなり何するんですか！」
「何ってキスですよ」
「男相手にキスなんて！何考えてるんですか？」

先生の胸を押さえる手を退けられると、背中に腕を回して抱き締められた。
手を差し込む隙間も無く程に密着されて、柳川先生の荒い息が耳に吹き掛かる…

「…っ！」
「男性相手にキスするのはいけませんか？今無性にあなたにキスがしたい…」
「ま、待って…」
「嫌ならもっと強く突き飛ばして下さい…」

躊躇なく唇を貪り、舐め回される。
突き飛ばす事も出来ず、頭を左右に振って拒絶するも、唇が追い掛けてきて塞がれる。

ヤバい、唇が溶かされるような快感とアルコールの匂いに頭がクラクラする…