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セイドレイ -re:BORN-
第2章 日常

『次は~あまつか、あまつか駅に停車します~』


亜美が下車する駅まではもう間もなく。
残された時間があとわずかであると悟った痴漢男は、その中指を亜美の膣口へとねじ込んだ。


「──ッ、アッ…!」


亜美のかすかな吐息混じりのあえぎは、けたたましい走行音にかろうじてかき消されたようである。

節の張り出た太い中指をいとも簡単に飲み込んでしまった膣穴──そこは、この痴漢男をさらに勘違いをさせてしまうには充分なほどに、ジットリと濡れそぼってしまっていた。

やがて、列車が駅のホームに侵入すると、男はラストスパートとばかりに指の抜き挿しの速度を加速させていく──。


(アッ…ダメッ……そんなふうにされたら、わたし…わたしっ──)



「──ッ、ンンッ!!」


次の瞬間──、亜美は「ブルッ」と短く身震いをすると、踵を浮かせ、足をピンと反らした。

それとほぼ同時に、駅に停車した列車の扉が開いた。
せきをきったように、一斉に降車する乗客たちの群れ。

そのどさくさに紛れて、男の指は一瞬でどこかへ消えて去ってしまう。

亜美は車両内から押し出されるようにしてホームに降り立つと、すぐさま周囲を見渡し、男を探す──。
しかしあまりに人の流れが激しく、この日もその姿を特定することはできなかった。



(どうして…わたしばかり────)



亜美は大きく肩を落とし、うつむき加減で駅の階段を昇っていく。

するとそのとき──。


「──あれ、高崎さん!?おはよー!」


階段を半分ほど昇ったところで、背後からの聞き覚えのある声に亜美は振り返った。


「あ、水野くんっ…!お、おはよ…」


彼の名は、水野貴之(みずの たかゆき)。
亜美と同じ光明学園に通う一年生で、クラスメイトでもある。


「今日雨すげぇよな~…って、あれ…?」


亜美を見るなり、なにやら不思議そうな表情を浮かべる貴之。


「な、なに…?どうかしたの…?」

「い、いや…その──、高崎さんの…スカート…」

「え…?私のスカート…?」

「う、うん…。その後ろのとこに付いてるのって────」


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