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透明な炎
第4章 ほ
街の中を縫うように走る江ノ電は民家と近く曲がりくねる。
夏は観光客と海に行く人たちでごった返しの車内は
キラキラと反射する水面に魅せられてみんなが海側を向いている。
「キレーだねぇ」
「そうだな」
休日に同じ風景を見て同じ感想を言い合って
同期なのにこの感覚は初めてで
長い間彼氏がいない私の錆びた感覚を磨いて行くようで
「江の島混んでるかな」
とつぶやけば
「この時期だからな」
と、武藤の顔も見ないのに苦笑いしている顔が目に浮かぶ。
プライベートは良く知らないけど
それでも長い時間隣の席に座って
コイツのエリート街道を突っ走るその腕もキャパも
小さな失敗して悔しがっている顔も・・・
みんな見てきた。
私も見られてきた。
好きになっちゃだめ。
銀座でおねだりをする可愛い奥さんがいるんだから。
江ノ島で降りて外に出れば
強い日差しが照りつけて
「あっちぃ」
肩でおでこの汗を拭く。
なんだかその姿が「男」って感じでドキっとした。
夏は観光客と海に行く人たちでごった返しの車内は
キラキラと反射する水面に魅せられてみんなが海側を向いている。
「キレーだねぇ」
「そうだな」
休日に同じ風景を見て同じ感想を言い合って
同期なのにこの感覚は初めてで
長い間彼氏がいない私の錆びた感覚を磨いて行くようで
「江の島混んでるかな」
とつぶやけば
「この時期だからな」
と、武藤の顔も見ないのに苦笑いしている顔が目に浮かぶ。
プライベートは良く知らないけど
それでも長い時間隣の席に座って
コイツのエリート街道を突っ走るその腕もキャパも
小さな失敗して悔しがっている顔も・・・
みんな見てきた。
私も見られてきた。
好きになっちゃだめ。
銀座でおねだりをする可愛い奥さんがいるんだから。
江ノ島で降りて外に出れば
強い日差しが照りつけて
「あっちぃ」
肩でおでこの汗を拭く。
なんだかその姿が「男」って感じでドキっとした。