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透明な炎
第2章 明
「まぁいいや。俺が調べとくわ」

この男は休むって言葉を知らないんだろう。
仕事にプライベートに家庭に全力投球で、楽しんでる。

自分が充実するために、自分が楽しむために、自分が幸せになるために
その労力を惜しまない。
だから仕事のキャパが私より大きいんだ。

奥さんと銀座に行く用事がないなら、そのプライベートをちょっと一緒に楽しんでも良いような気がしてきた。
なんたって私たちは腐れ縁の同期だし、
お互いに恋愛感情は一切ない。
間違っても間違わないだろうし、奥さんにやましい気持ちになる程の艶っぽい会話は皆無で
お互いに戦友だ。

この会社に入社して10年目。
どーにかなってるなら、とっくにどーにかなってる。
ま、その前にこいつは既婚者だけどね。

「ねぇ。ビールもういっぱい」

好きな男の前だったらこんな風に生ビールをガンガン注文しない。

同期ってポジションは楽でいい。
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