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あの時、あのBARで
第3章 再会という名のBAR
もともとこの場所には、瞳と伊知子の行きつけの店、BAR・ムーンライトがあった。
二人にとって初めて行きつけとなったバーだった。
大人の店、バーの魅力を教えてくれた、そしてカクテルの美味しさと奥深さを教えてくれた
店主のベテランバーテンダー川又四郎。
だが突然病で他界して、店主を失ったこの店は、別の店主によって新たな命を授かった。
それがこの、「再会という名のBAR」という名のバーなのだ。
変わった名前の由来は、店主・水元潤平の周りで起こる
数々の「再会」からきているもので、
瞳と伊知子とも実は再会であったことが判明したのだ。
20代の若かりし頃、バブル時代の遊び場であるディスコの客と従業員として
繋がりがあった、瞳と伊知子と潤平。
「再会という名のBAR」はその名の通りの場所として、
女二人の新たな行きつけの店となったのである。