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あの時、あのBARで
第4章  BAR・エロス


 BAR・エロス。謎だらけのバーだった。
 初めてその名と存在を教えてくれた、というより勝手に教えてもらった相手は、
飲み屋で隣の席に座った女3人組だった。
 セックスの相手を見つけられるバー。なんだって?そんなバーが存在するのか?
そんな魅力的な話を盗み聞かなくてどうする、とばかりに私は全神経を集中させて、
連れのオトコが席を外していることをいい事に耳を傾けた。

 そのバーは、ごく普通のバー。特別なチャージはなく、酒代だけ取る普通のバー。
だが、そこで出会う異性と、自然とそういう雰囲気になれるというのだ。
そういうコトを求めている人間にとっては最高ともいえる店なのだが、
ただ一つ、重大な欠点があった。
それは、店の場所が明らかにされていないということ。
行きたくてもおいそれと行かれないということだ。3人組も行きたいと話してはいたが、
場所がわからないなら諦めると不貞腐れた声を出していた。

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