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嘘の数だけ素顔のままで
第4章 去勢【3】
 コトブキはしばらくの間メールボックスを眺めていたが、隣にいる『先生』とヒタチノゾミがどうにも気になって何も書くことができなかった。

『先生』は一番声のとおる女から、『先生』ここ教えてください、と言われるまでヒタチノゾミの席から離れなかった。


 教室はしだいに私語が飛び交うようになっていった。メールの宛先入力欄のCCとBCCの違いとその使い分けについて話しているようだった。コトブキはメールボックスに新着が入っているのを見つけた。



Hitachi wrote:
〉さっきはごめんなさい。寿くん優しいから
〉甘えちゃうんです。職業訓練終わるまで仲
〉良くしてください。いつもありがとう。



 コトブキは、ヒタチノゾミを見た。ヒタチノゾミは恥かしそうに会釈した。隣同士でメールを出し合うなんてコトブキは新鮮な気持だった。



Kotobuki wrote:
〉こちらこそよろしくお願いします。簿記は
〉苦手だけどパソコンのことならだいたい教
〉えることができます。なんでも聞いてくだ
〉さい。



 我ながらぶっさいメールだとコトブキは思ったが、早くメールを出したくて二、三回誤字脱字がないか見直しただけで送信した。

 正直なところ、コトブキは顔がわかる女性とメールをしたのはこれが初めてだった。絵文字と顔文字がないところに妙な生々しさを感じた。


 メールを受け取ったヒタチノゾミの横顔は嬉しそうだった。


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