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マスタード
第2章 想い出の店
星志は気持ちよさそうに寝てしまったので、奏はひとりで愛するリサに逢いに行く背徳と悦びに浸りながら車を走らせた。
その街に着いたのはもう0時を回っていた。
いろいろあってもう1年も2年も経っているように感じるが、リサとキスをしてから3月ぶりのこの街であった。
『愛』は0時までの営業だから丁度いい時間でもある。
待ち合わせた24時間営業のスーパーの駐車場に車を入れて寝ている星志を残して降りるとリサが「奏ちゃん」と手を振って駆けてきた。
「おかえり。長旅お疲れ様」と言ってリサはキスをせがんできた。こんな真夜中だから人気はない。
いきなりキスをせがまれるとは思わなかった不意打ちに奏は思わず「ごめん、さっき辛味噌ラーメン食べちゃった」と言った。
「相変わらずね、奏ちゃん」とリサはクスクスと笑って、「かまわないよ」と再びキスをせがんだ。
「ただいま。会いたかったよ」
人気がないもののスーパーだからいつ人が来るかも分からないので、ここではチュッと軽くキスをした。
「すっかり寝ちゃってるね~。ってか深夜だもんね。可愛いね~。あたしが良いママでしゅよ~」とリサは眠っている星志にあいさつをして車に乗り込んだ。
リサの家は古いアパートだった。
妻との関係がこんなに悪化するとは思わずにローンを抱えて家を建ってしまったことを後悔している奏にはこの古いアパートがうらやましく見えた。
「ごめんね、ボロいアパートで」とリサは恥ずかしそうに言った。
「いや、こんな家で家族が身を寄せ合って仲良く暮らせる家庭がいいなぁと思って・・」
つい本音を言ってしまって、今の奏の家庭事情をにおわせて重い空気になっちゃったかなぁと後悔したが、
「作れるよ、そういう家庭。あたしと結婚したらね」
とリサは幸せそうに笑った。
寝ている星志を布団に入れて襖を閉めると奏とリサはビールテイストで乾杯をした。
「改めまして、おかえりなさい、奏ちゃん」
「た、ただいま・・久しぶりだな、おかえりなさいって言ってくれて、ただいまって言ったの」
妻との関係が悪化してからはそんな当たり前のあいさつすらなくなったと奏はしみじみとする。
「あたしも、おかえりなさいって言うの初めてなんだからね」とリサは奏に寄りかかってきた。
「遠かったでしょ。急に連絡しちゃったのによく来てくれたわね。本当にお疲れ様」
その街に着いたのはもう0時を回っていた。
いろいろあってもう1年も2年も経っているように感じるが、リサとキスをしてから3月ぶりのこの街であった。
『愛』は0時までの営業だから丁度いい時間でもある。
待ち合わせた24時間営業のスーパーの駐車場に車を入れて寝ている星志を残して降りるとリサが「奏ちゃん」と手を振って駆けてきた。
「おかえり。長旅お疲れ様」と言ってリサはキスをせがんできた。こんな真夜中だから人気はない。
いきなりキスをせがまれるとは思わなかった不意打ちに奏は思わず「ごめん、さっき辛味噌ラーメン食べちゃった」と言った。
「相変わらずね、奏ちゃん」とリサはクスクスと笑って、「かまわないよ」と再びキスをせがんだ。
「ただいま。会いたかったよ」
人気がないもののスーパーだからいつ人が来るかも分からないので、ここではチュッと軽くキスをした。
「すっかり寝ちゃってるね~。ってか深夜だもんね。可愛いね~。あたしが良いママでしゅよ~」とリサは眠っている星志にあいさつをして車に乗り込んだ。
リサの家は古いアパートだった。
妻との関係がこんなに悪化するとは思わずにローンを抱えて家を建ってしまったことを後悔している奏にはこの古いアパートがうらやましく見えた。
「ごめんね、ボロいアパートで」とリサは恥ずかしそうに言った。
「いや、こんな家で家族が身を寄せ合って仲良く暮らせる家庭がいいなぁと思って・・」
つい本音を言ってしまって、今の奏の家庭事情をにおわせて重い空気になっちゃったかなぁと後悔したが、
「作れるよ、そういう家庭。あたしと結婚したらね」
とリサは幸せそうに笑った。
寝ている星志を布団に入れて襖を閉めると奏とリサはビールテイストで乾杯をした。
「改めまして、おかえりなさい、奏ちゃん」
「た、ただいま・・久しぶりだな、おかえりなさいって言ってくれて、ただいまって言ったの」
妻との関係が悪化してからはそんな当たり前のあいさつすらなくなったと奏はしみじみとする。
「あたしも、おかえりなさいって言うの初めてなんだからね」とリサは奏に寄りかかってきた。
「遠かったでしょ。急に連絡しちゃったのによく来てくれたわね。本当にお疲れ様」