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マスタード
第6章 幸せのタイムリミット
それは奏も思っていた。
なりゆきで愛美も一緒にお風呂に入ることになって、もし興奮して大きくなっちゃったらどうしようとヒヤヒヤしていた。

でも不思議なことに大きくはならなかった。
いたいけな何も知らない陽葵にそんなモノは見せたくないという父親の気持ちが大きかったのかなとも思う。その反動か愛美とイチャイチャしている今はいつもよりもギンギンになっているような実感がある。

「初めて知ったんだけど、男って女性のことを家族として見るのと恋人として見るのを器用に使い分けられるものなんだね」

「もう、奏ちゃんったら」と愛美はクスクスと笑った。

「よくガマンできました。良いパパだったわね。ご褒美よ」と愛美は大きくなった奏の男を口に含んだ。

悪妻は星志が生まれてすぐに豹変して関係が悪化したので、こんなふうに子供と一緒にお風呂に入ったこともない。だから、妻のことをこんなにも器用に家族や女として見ることができるものなんだと関心していた。

まるで本当の夫婦になれたようなのが嬉しくて奏はいつもよりも激しく愛美のことを求めた。
愛美も同じ想いで嬉しくて激しく奏を受け入れた。

終わった後もしばらく裸のまま抱き合ってイチャイチャしていた。その温もりがとても心地よい。

「陽葵の隣に戻らないと朝起きた時にボクがいないと怒るかな?」

もっと愛美と抱き合っていたいのをガマンして奏は服を着て陽葵のところに行こうとした。
ベッドはいくら子供でも3人で寝るには狭いのでパパかママかどちらかと寝ることになるのだが、陽葵は奏ちゃんパパを選んだのだった。

「もう、美女ふたりと交互にベッドに入るなんて、この幸せ者め」と愛美は奏をからかって笑った。

「でも、もう少し奏ちゃんに抱かれていたい。朝になったら戻ればいいよ」と愛美は奏にギュッとしがみついた。

「愛美・・」

奏は愛美にキスをするとそのまま抱きしめた。

お祭りやキャンプで楽しかった夏休みも終わり、二学期が始り段々と寒い季節になってきた。この街の冬とても寒い。

寒くなるに連れてこの街での時間のタイムリミットが痛切に奏や愛美に突き刺さる。

2学期に奏は大きな問題を抱えることになる。
奏のクラスに東京から転校した女子生徒がやってきたのだが、うまく新しいクラスに馴染めずに不登校になってしまったのだ。
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