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マスタード
第2章 想い出の店
奏としては飲みに行ったりする時は教師だということは隠しておく主義なのだが、「愛」に連れていってくれた主任の先生は教師が飲みに行ったって悪いことをしてるワケじゃないんだという主義で、「愛」でも学校の先生で遠征で来てるなんてオープンに話してしまった。
だからリサも奏の素性を知っているというワケだ。
「そうか、吹奏楽部の。先生も演奏とかできるのかい?」とおじちゃんが少年のように瞳を輝かせて訊いてきた。
「ええ、まあ。多少は」と奏は答えた。
「ギターなをかもいけるかい?」とおじちゃんは店の奥からギターを取り出してきた。
おじちゃんはギターが好きで大枚をはたいて買ったものの、上手く弾けなくてせっかくのギターも埃をかぶっている状態だった。
「ギターは久しぶりだから上手くいくか分からないけど・・」
奏はいろんな楽器をかじってきた。もちろんギターもやったことはあるが、吹奏楽の顧問になってからは殆ど触っていない。
それでも奏の弾き語りは素晴らしくて、店に増えてきた客たちからは盛大な拍手が起こった。
リサもうっとりと聴き入っていた。
「流石は奏ちゃんだ」と奏が席に戻るとリサが嬉しそうに称えてくれた。
「そ、奏ちゃん・・」
急に下の名前でちゃん付なんてされるから奏は困惑してしまう。そんな奏の様子を見てリサはまた愉快そうにケラケラと笑った。
「だって、カレなんだから、いつまでも先生じゃおかしいでしょ」
この自由奔放さなリサのキャラは心地よくて好きだし、奏にはないから羨ましいとも思った。
「奏ちゃんって絶対モテるよね。まさか、あたしと遠距離恋愛だからって女子生徒に手を出してるんじゃないでしょうね~」
とリサが不意に悪戯っぽく言うものだから奏はビールを変なところに流し込んでしまって盛大にむせた。
「そ、そんなことしないよ」
むせてしまって上手く喋れずに、涙目でそれだけ言うのが精一杯だった。
そんな奏の様子が面白くてリサはまたケラケラと笑った。
「リサちゃん、いい娘だろっ。泣かすようなことはしないで大切にしてやってくれよ」
とおじちゃんが懇願するように言ってきた。その様子は父親のようでもある。リサがふざけて冗談で言ったことを半分は真剣に心配している様子だった。
「あんな素敵な演奏の代金だ。お代はいらないよ。リサちゃんのステキなカレシに乾杯~」
だからリサも奏の素性を知っているというワケだ。
「そうか、吹奏楽部の。先生も演奏とかできるのかい?」とおじちゃんが少年のように瞳を輝かせて訊いてきた。
「ええ、まあ。多少は」と奏は答えた。
「ギターなをかもいけるかい?」とおじちゃんは店の奥からギターを取り出してきた。
おじちゃんはギターが好きで大枚をはたいて買ったものの、上手く弾けなくてせっかくのギターも埃をかぶっている状態だった。
「ギターは久しぶりだから上手くいくか分からないけど・・」
奏はいろんな楽器をかじってきた。もちろんギターもやったことはあるが、吹奏楽の顧問になってからは殆ど触っていない。
それでも奏の弾き語りは素晴らしくて、店に増えてきた客たちからは盛大な拍手が起こった。
リサもうっとりと聴き入っていた。
「流石は奏ちゃんだ」と奏が席に戻るとリサが嬉しそうに称えてくれた。
「そ、奏ちゃん・・」
急に下の名前でちゃん付なんてされるから奏は困惑してしまう。そんな奏の様子を見てリサはまた愉快そうにケラケラと笑った。
「だって、カレなんだから、いつまでも先生じゃおかしいでしょ」
この自由奔放さなリサのキャラは心地よくて好きだし、奏にはないから羨ましいとも思った。
「奏ちゃんって絶対モテるよね。まさか、あたしと遠距離恋愛だからって女子生徒に手を出してるんじゃないでしょうね~」
とリサが不意に悪戯っぽく言うものだから奏はビールを変なところに流し込んでしまって盛大にむせた。
「そ、そんなことしないよ」
むせてしまって上手く喋れずに、涙目でそれだけ言うのが精一杯だった。
そんな奏の様子が面白くてリサはまたケラケラと笑った。
「リサちゃん、いい娘だろっ。泣かすようなことはしないで大切にしてやってくれよ」
とおじちゃんが懇願するように言ってきた。その様子は父親のようでもある。リサがふざけて冗談で言ったことを半分は真剣に心配している様子だった。
「あんな素敵な演奏の代金だ。お代はいらないよ。リサちゃんのステキなカレシに乾杯~」