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マスタード
第7章 奏ちゃんパパは単身赴任
奏のギターを気に入ってくれてお祭りとかのここぞという時には呼んでくれることになったのだが、オヤジバンドの中では奏は断トツに若い。20歳近くも年齢差がある。

そんな歳を取っても好きなことに一生懸命で輝いているオヤジバンドには希望をもらってきたが、まさかこんな形でそのメンバーが亡くなるとは思ってもみなかった。

旅館の代表は長男が継ぐことになった。長男は奏よりも少し歳上だ。

父が大変お世話になりましたと丁寧に挨拶されたので、こちらこそお世話になりましたと丁寧に返して仏壇も拝ませてもらった。仏壇に手を合わせて遺影を見ると今まで信じられなかったが本当に亡くなったんだと実感が湧いて悲しみがこみ上げてきた。

社長との関係がなくなったからには甘えるわけにはいかないからきちんと宿代を払うと言うと、故人の思いを大切にしたいからこれからも今まで同様にお祭りの時には来て欲しいと逆に懇願された。

故人に捧げるためにオヤジバンドでは気合いを入れた演奏をみんなに届けた。
オヤジバンドメンバーと打ち上げと故人の追悼の酒をかわすと『囲炉裏』に行った。

愛美も陽葵も奏に会えてスゴく喜んでくれたけど、奏がちょっと元気ないから心配してくれた。

旅館の社長が亡くなったことを話すと一緒に追悼の盃をかわしてくれた。

「いいヤツだったのに」

と石垣は涙を浮かべてしんみりと盃を故人に手向けた。石垣は故人と親交があったようだ。

その年はクリスマスにも帰ることができた。
愛美と陽葵とクリスマスパーティーをするのは幸せな時間である。

だが、そこで奏は愛美から石垣が亡くなったことを知らされた。夏のお祭りの時はあんなに元気だったのに信じられなかった。まるで惜しんでいた親友の後を追うようだった。

夏の終わりに愛美が石垣の家に売上金を届けに行くと応答がないため合鍵で中に入ると石垣が倒れていた。
ちなみに石垣は不在のことも多いから、決められた場所に売上金を置いおくように家の合鍵を預かっていたのだ。

石垣はもう意識はなくてすぐに救急車を呼んだけど間に合わずにそのまま亡くなったとのことだ。
くも膜下出血で倒れたとのこと。手にはケイタイが握られていたので、誰かに助けを求めようとしたか自力で救急車を呼ぼうとしたのにままならなかったようだ。

「恐かった・・」
その時のことを思い出すと愛美はブルブルと震えた。
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