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マスタード
第7章 奏ちゃんパパは単身赴任
遠征であの街に行って愛美や陽葵に会えるウキウキが出てしまっていたのだろうか。いや、ウキウキはポーカーフェイスで隠しているはずなのに。
男としての危険なオーラ、それを女の直感で感じていたのかも知れないと思うとドキドキしてくる。
同僚たちが思っているような、危険なオーラが全くないつまらない男・・もっとつまらない男を演じなければと思うとまた自分が狸に見えてくる。
遠征初日はスケジュールの都合で午後の早い時間からフリーになった。
久しぶりにこの街をブラブラしてみようとホテルにチェックインするとすぐに出かけてみた。
思えば時々この街に帰ってきても『囲炉裏』に直行で街をブラブラするのは本当に久しぶりのことだった。
街は奏が住んでいた時のままでもあり、地味に変わっているところもあって違う街のようでもある。
そんなことを想いながら歩いていると陽葵がランドセルを背負って歩いているのが見えた。ランドセル姿が可愛いと思ったが、陽葵は何か困っているみたいだった。一緒にいる男子に何か言われているみたいだった。
「お前、本当はパパなんていないんだろう。パパはどっかに逃げちゃったんだろう」と男子にからかわれて、
「パパはちゃんといるもん。そうちゃんパパは今日帰ってくるんだもん」と陽葵は真っ赤な顔をしている。
「どうした、陽葵?」
「あっ、そうちゃんパパ~。お帰りなさい」
泣きそうな顔をしていた陽葵は奏の姿を見るなりパアッと明るい顔になって奏に飛びついてきた。
「あのね、りくのヤツがひまりにパパなんかいないって言うんだよ~」と陽葵は怒ったように奏に言いつける。
「なんだよ、本当にパパいたのかよ」
と陸は悔しそうな顔をする。
「君・・陸くんでいいのかな・・」
奏に呼び止められて陸は怒られると覚悟を決めるが・・。
「陸くんもずっとお父さんと離れ離れなのかな?」
陽葵が奏に飛びついてきた時に陸が見せた寂しそうな羨ましそうな顔を奏は見逃さなかった。
陸は泣きそうな顔でお父さんが漁に出ていることを話してくれた。一度漁に出ると半年ぐらいは帰って来ないらしい。大好きなお父さんと離れ離れで寂しいのに陽葵が女子の友だちに久しぶりにパパに会えると嬉しそうに話しているのを見て羨ましくなって思わず八つ当たりをしてしまったらしい。
男としての危険なオーラ、それを女の直感で感じていたのかも知れないと思うとドキドキしてくる。
同僚たちが思っているような、危険なオーラが全くないつまらない男・・もっとつまらない男を演じなければと思うとまた自分が狸に見えてくる。
遠征初日はスケジュールの都合で午後の早い時間からフリーになった。
久しぶりにこの街をブラブラしてみようとホテルにチェックインするとすぐに出かけてみた。
思えば時々この街に帰ってきても『囲炉裏』に直行で街をブラブラするのは本当に久しぶりのことだった。
街は奏が住んでいた時のままでもあり、地味に変わっているところもあって違う街のようでもある。
そんなことを想いながら歩いていると陽葵がランドセルを背負って歩いているのが見えた。ランドセル姿が可愛いと思ったが、陽葵は何か困っているみたいだった。一緒にいる男子に何か言われているみたいだった。
「お前、本当はパパなんていないんだろう。パパはどっかに逃げちゃったんだろう」と男子にからかわれて、
「パパはちゃんといるもん。そうちゃんパパは今日帰ってくるんだもん」と陽葵は真っ赤な顔をしている。
「どうした、陽葵?」
「あっ、そうちゃんパパ~。お帰りなさい」
泣きそうな顔をしていた陽葵は奏の姿を見るなりパアッと明るい顔になって奏に飛びついてきた。
「あのね、りくのヤツがひまりにパパなんかいないって言うんだよ~」と陽葵は怒ったように奏に言いつける。
「なんだよ、本当にパパいたのかよ」
と陸は悔しそうな顔をする。
「君・・陸くんでいいのかな・・」
奏に呼び止められて陸は怒られると覚悟を決めるが・・。
「陸くんもずっとお父さんと離れ離れなのかな?」
陽葵が奏に飛びついてきた時に陸が見せた寂しそうな羨ましそうな顔を奏は見逃さなかった。
陸は泣きそうな顔でお父さんが漁に出ていることを話してくれた。一度漁に出ると半年ぐらいは帰って来ないらしい。大好きなお父さんと離れ離れで寂しいのに陽葵が女子の友だちに久しぶりにパパに会えると嬉しそうに話しているのを見て羨ましくなって思わず八つ当たりをしてしまったらしい。