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恋 と 愛 と 思い出 と
第1章 1st 美月と朝陽
ーーーーキス、されてる。
そう自覚しているのに動けなかった。
離れなきゃ!と思うまで、数秒あった。
ありったけの力で朝陽のカラダを押す。
「ーーーーーーーっや…ー!!!!んっ、ぅ…!!」
アッサリと唇が離れ、息を吐き、やめて、というはずだった。
…できな、かった。
顔が離れて息をした瞬間に、もう一度重ねられた唇。
今度は、深く。絡みつく。
腰を寄せる手も、頭の後ろに添えられた手も、どんどん力が込もっていくのが分かる。
まるで、言葉を紡がせないぞと言うように。離さないと、伝えられているようで。
「やぅ…ん、ふぅーーっちょ、!っ」
ドンドンと、朝陽の胸を叩くも力が強くなるだけ。
キスは、角度を変えて深くなっていくばかり。
ギュッと、閉じていた目を薄く開いてみる。
苦しそうに歪められた朝陽の顔が、見えた。
そっと、再び目を閉じる、
わたしの腕の力が、抜けた。
ーーーーー身を、委ねてしまった。