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雨宿りハーレム
第1章 突然の嵐
山で遭難すると、本能的に
「降りる」
方向へ行きたくなる。
しかし、それだと沢に迷い込んだりして、逆に危険なことが多い。
この山は、それほど危険じゃないと思うが、と思いつつ、僕は、安全策で
「登る」
方向へと、5人の女子小学生たちを導いた。
5人のうち、小4の女児のミヨは僕の背に負われていた。5人の中でいちばん体力がなくて、疲れ果ててしまったからだ。
山の頂上へと進んだころ、辺りは真っ暗闇に。20分で登れるはずが、1時間近くかかったようだ。
懐中電灯も持っていず、途方に暮れたが。
その時、雨が一瞬止み、雲が少し切れたようで、上ってきたばかりの月の光で辺りが照らされた。幸い、今夜は満月だ。
すると、下山方向と逆の方向に明かりが見えた。
「なんだろ、あれは?」
とりあえず、僕と5人の女児は、満月の明かりを頼りに歩きだした。
それは、木造の平屋の家だった。その家の玄関灯が付いていた。
インタホンを探したが、ない。
ドアのノブを握ると、すっと開いた。カギがかかっていなかった。
みんなで中に入った。
「ごめんくださいー!」
奥のほうに声をかけたが、反応なし。
玄関の壁を探ると、電灯のスイッチみたいなのがあった。オンにすると、灯りが付いた。
玄関周りや廊下は、きれいである。生活に使われているというのが、分かった。
靴を脱いで、濡れた靴下も脱いで裸足で廊下に上がった。
5人を玄関に残し、僕は奥へ行ってみた。
家の中には、誰もいなかった。留守かな?と思ったが、ちゃぶ台の上に
<借金払え>
という催促状が山積みになっていた。
食べかけみたいな皿があり、その中の食べ物にカビが生えていた。
『どうやら、夜逃げした跡らしい…』
しかし、電気は止められておらず、水道も生きていた。
奥は、お風呂、トイレがあり、部屋は、8畳敷きの部屋が3つ、6畳敷きの部屋が2つとけっこう広い。
台所の冷蔵庫の中は空っぽだったが、袋ラーメンの50袋入り箱が40個、あった。消費期限は、だいじょうぶ。
玄関先にダイヤル式の黒い固定電話があるのを見つけ、ハイキング企画会社に電話した。
橋の復旧に最低1週間はかかりそうだということだ。
5人の親たちと子供たちが直接話を交わし、毎日午後3時、午後9時にこちらから定時連絡することになった。この家の電話番号は、不明。
「降りる」
方向へ行きたくなる。
しかし、それだと沢に迷い込んだりして、逆に危険なことが多い。
この山は、それほど危険じゃないと思うが、と思いつつ、僕は、安全策で
「登る」
方向へと、5人の女子小学生たちを導いた。
5人のうち、小4の女児のミヨは僕の背に負われていた。5人の中でいちばん体力がなくて、疲れ果ててしまったからだ。
山の頂上へと進んだころ、辺りは真っ暗闇に。20分で登れるはずが、1時間近くかかったようだ。
懐中電灯も持っていず、途方に暮れたが。
その時、雨が一瞬止み、雲が少し切れたようで、上ってきたばかりの月の光で辺りが照らされた。幸い、今夜は満月だ。
すると、下山方向と逆の方向に明かりが見えた。
「なんだろ、あれは?」
とりあえず、僕と5人の女児は、満月の明かりを頼りに歩きだした。
それは、木造の平屋の家だった。その家の玄関灯が付いていた。
インタホンを探したが、ない。
ドアのノブを握ると、すっと開いた。カギがかかっていなかった。
みんなで中に入った。
「ごめんくださいー!」
奥のほうに声をかけたが、反応なし。
玄関の壁を探ると、電灯のスイッチみたいなのがあった。オンにすると、灯りが付いた。
玄関周りや廊下は、きれいである。生活に使われているというのが、分かった。
靴を脱いで、濡れた靴下も脱いで裸足で廊下に上がった。
5人を玄関に残し、僕は奥へ行ってみた。
家の中には、誰もいなかった。留守かな?と思ったが、ちゃぶ台の上に
<借金払え>
という催促状が山積みになっていた。
食べかけみたいな皿があり、その中の食べ物にカビが生えていた。
『どうやら、夜逃げした跡らしい…』
しかし、電気は止められておらず、水道も生きていた。
奥は、お風呂、トイレがあり、部屋は、8畳敷きの部屋が3つ、6畳敷きの部屋が2つとけっこう広い。
台所の冷蔵庫の中は空っぽだったが、袋ラーメンの50袋入り箱が40個、あった。消費期限は、だいじょうぶ。
玄関先にダイヤル式の黒い固定電話があるのを見つけ、ハイキング企画会社に電話した。
橋の復旧に最低1週間はかかりそうだということだ。
5人の親たちと子供たちが直接話を交わし、毎日午後3時、午後9時にこちらから定時連絡することになった。この家の電話番号は、不明。