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スカーレットオーク2
第3章 3 それぞれの仕事
気持ちの良い森の中のペンション『セレナーデ』を優しい風と爽やかな朝の陽射しが包み込んでいる。
「おはようございます」
「緋紗ちゃん、おはよう」
オーナーの吉田和夫がちょうど最後の泊り客を見送ったところのようだ。
「食堂から片付けますね」
「おう。頼む」
緋紗は午前中はペンションを手伝い午後は陶芸教室を開催している。
食堂の片づけをしていると和夫の妻、小夜子が二歳の娘の和奏わかなをつれやってきた。
「緋紗ちゃん、おはよ」
「おはようございます。和奏ちゃんもおはよ」
ますます華やかさが増している小夜子にまぶしく感じながら緋紗は挨拶をした。
生まれたときから知っている和奏は緋紗によくなつき、まとわりつく。
「だめよ。和奏。今、緋紗ちゃんお仕事してるからね」
「やだー」
「いやいや期真っ盛りでほんと困るわ」
さすがの小夜子も手を焼くらしい。
「でも可愛いですねえ。少しお話もでき始めたし」
「和夫なんかメロメロよ」
小夜子は肩をすくめた。
「ちょっと散歩させて来るわね」
「ええ。いってらっしゃい」
和奏は小夜子に手を引かれしっかりした足取りで歩いて行った。
和奏は小夜子似で二歳児であるが独特のオーラというものを感じさせる。
(どこも娘にメロメロかあ)
直樹との間に娘が生まれ、直樹が娘にメロメロになったところを想像する。
(んー。なんかやだな……)
自分の子供でもあるのだろうからきっと気にはならないのかもしれないが、今の緋紗にはまだ受け入れがたかった。
深刻になる前に想像をやめて仕事に専念することにした。
「おはようございます」
「緋紗ちゃん、おはよう」
オーナーの吉田和夫がちょうど最後の泊り客を見送ったところのようだ。
「食堂から片付けますね」
「おう。頼む」
緋紗は午前中はペンションを手伝い午後は陶芸教室を開催している。
食堂の片づけをしていると和夫の妻、小夜子が二歳の娘の和奏わかなをつれやってきた。
「緋紗ちゃん、おはよ」
「おはようございます。和奏ちゃんもおはよ」
ますます華やかさが増している小夜子にまぶしく感じながら緋紗は挨拶をした。
生まれたときから知っている和奏は緋紗によくなつき、まとわりつく。
「だめよ。和奏。今、緋紗ちゃんお仕事してるからね」
「やだー」
「いやいや期真っ盛りでほんと困るわ」
さすがの小夜子も手を焼くらしい。
「でも可愛いですねえ。少しお話もでき始めたし」
「和夫なんかメロメロよ」
小夜子は肩をすくめた。
「ちょっと散歩させて来るわね」
「ええ。いってらっしゃい」
和奏は小夜子に手を引かれしっかりした足取りで歩いて行った。
和奏は小夜子似で二歳児であるが独特のオーラというものを感じさせる。
(どこも娘にメロメロかあ)
直樹との間に娘が生まれ、直樹が娘にメロメロになったところを想像する。
(んー。なんかやだな……)
自分の子供でもあるのだろうからきっと気にはならないのかもしれないが、今の緋紗にはまだ受け入れがたかった。
深刻になる前に想像をやめて仕事に専念することにした。