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スカーレットオーク2
第6章 6 病気
「近所のクリニックでもやってるからさくっとやっときなさいよ」

「そうだね。今度行ってくるよ」

 なんとなく好奇心もあったので気軽な気持ちで直樹は行ってみるかと思った。

早苗が立ち去ったのを見計らって颯介がこっそり耳打ちする。

「なんかさ。検査室って特別なDVDとか本とかあるらしいぞ」

「そんなの都市伝説だって」

「行ったら教えろよ」

「わかったわかった。じゃ帰るよ。お大事に」

 直樹は実家を後にした。





 ベッドで直樹は聖乃のおたふく風邪の話をした。

そして早苗に検査を勧められた話もした。

「一回くらい検査してみようかと思うんだけど」

「いいと思うます。私も最近、市の健診で婦人科受診してきましたよ」

「ああ。そうだったの」

「特に何も問題がありませんでしたけど」

「そう。よかった」

 直樹は安心して緋紗の肩を抱いた。

しかし緋紗は神妙な顔で話す。



「不妊って人ごとじゃないですよね。亡くなった伯母の話をしたことがあると思いますけど。伯母が不妊症だったんです。子供を望んでいたので治療を頑張っていた時期もありましたけど」

 言葉が途切れる。

(震災か……)

直樹は察して話を急かさなかったが言葉が見つからなくなってしまったようで、緋紗はは押し黙ってしまった。

直樹は緋紗を肩をもっと強く抱いてキスをすると彼女は甘えて身体を摺り寄せてくる。



「そうだ。一つ問題があるんだ」

「え?」

「検査しようと思ったら五日くらい禁欲しないといけないみたい。平気?」

「やだ。それくらい我慢できます」

 頬を赤く染めて笑った。
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