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スカーレットオーク2
第8章 8 カルメン
「おめでとう」
「ありがとうございます」
二人は乾杯してワインを飲んだ。
「すごく美味しい」
「そう。よかった。これ誕生日プレゼント」
直樹がそっと硬そうな紙の封筒を差し出した。
「え。なんだろう」
嬉しそうに中身を取り出した。
オペラ『カルメン』のチケットだ。
「わあ。すごい。しかもs席だ。いいんですか?」
「うん。小夜子さんのツテもあってね。いい席が取れたんだ。明日だよ」
「嬉しいです。明日が楽しみ」
(喜んでもらえてよかった)
もう二人とも欲しい『モノ』は特になかった。
それよりも一緒に感じて過ごすことに重点を置いていた。
カルメンは二人が初めて出会ったときに上演されていたオペラだ。
隣同士の席だったが、その時はまだ見知らぬ他人だった。
ピアニストの小夜子にもし『カルメン』の公演がきたらチケットを取ってほしいと去年から頼んであったのが、ちょうど緋紗の誕生日に合わさるようにやってきたのだった。
「あのドレスを着ればいいよ」
緋紗は小夜子からもらった赤いドレスを思った。
「そうですね。あれならぴったりですね」
赤いワインを飲んでいる二人の頭には『ハバネラ』が流れている。
「ありがとうございます」
二人は乾杯してワインを飲んだ。
「すごく美味しい」
「そう。よかった。これ誕生日プレゼント」
直樹がそっと硬そうな紙の封筒を差し出した。
「え。なんだろう」
嬉しそうに中身を取り出した。
オペラ『カルメン』のチケットだ。
「わあ。すごい。しかもs席だ。いいんですか?」
「うん。小夜子さんのツテもあってね。いい席が取れたんだ。明日だよ」
「嬉しいです。明日が楽しみ」
(喜んでもらえてよかった)
もう二人とも欲しい『モノ』は特になかった。
それよりも一緒に感じて過ごすことに重点を置いていた。
カルメンは二人が初めて出会ったときに上演されていたオペラだ。
隣同士の席だったが、その時はまだ見知らぬ他人だった。
ピアニストの小夜子にもし『カルメン』の公演がきたらチケットを取ってほしいと去年から頼んであったのが、ちょうど緋紗の誕生日に合わさるようにやってきたのだった。
「あのドレスを着ればいいよ」
緋紗は小夜子からもらった赤いドレスを思った。
「そうですね。あれならぴったりですね」
赤いワインを飲んでいる二人の頭には『ハバネラ』が流れている。