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スカーレットオーク2
第9章 9 ナチュラル
昼食を終え、緋紗と和夫、小夜子はゆっくりお茶を飲む。
一日の中で一番ゆっくり休憩ができる時間だ。和奏は和夫に抱かれ夢の中にいる。
「ねえ。緋紗ちゃん。直君とは落ち着いた?」
「え。ええ。よくわかりましたね」
「ふふ。この前のゴールデンウィーク手伝ってもらったじゃない。ピアノも。直君の演奏、やけに揺れててね。あのこ結構、正確に弾くほうだけどちょっと変だったのよね」
「へー。そんなところで……。さすがですね。直樹さんには言わないでほしいんですが……」
緋紗は直樹が検査の結果で落ち込んでいたことを話した。
「ああ。そうだったの……」
和夫がため息交じりに「そりゃ――。ショックだろうなあ。」直樹のことを想って言葉を発した。
「緋紗ちゃんは欲しいの?」
小夜子は素朴な疑問を投げつけるように聞いてきた。
「いえ。そう思ったことはないんです。私、母性にかけてますかね……」
「母性ってどこで発揮されるかわからないけど。今は直君に全部発揮されてるのかもね。まあ欲しくなったらその時はその時でね。出来ないわけじゃないんだし」
「うんうん。今は直樹を頼むな。あいつ緋紗ちゃんがいないとダメな奴だからなあ」
「あ。はい」
顔を少し赤らめて緋紗は直樹のことを想った。(直樹さんだけいれば私は満ち足りている)
そんな緋紗を見て小夜子はニヤニヤしながら斜め上を見て言う。
「そういえば緋紗ちゃんがここに初めて来たときのあと、やっぱりゴールデンウィークだったかな。和奏を妊娠してるときね。直君がここ手伝ってくれてピアノ弾いてくれたんだけど。その時も揺れてたわよねえ。しかもあのこがモーツアルトなんか弾いてたわ。きっと緋紗ちゃんのこと想ってたのね。ふふふ。ピンクのモーツアルト」
和夫も「ああ。あんときのあいつ珍しく機嫌よく弾いてたよなあ」と相槌を打つ。
「あ、そうですか」
人から聞くと恥ずかしいなと思いながら、お茶の残りを飲み干して緋紗は片付けてアトリエに向かった。
一日の中で一番ゆっくり休憩ができる時間だ。和奏は和夫に抱かれ夢の中にいる。
「ねえ。緋紗ちゃん。直君とは落ち着いた?」
「え。ええ。よくわかりましたね」
「ふふ。この前のゴールデンウィーク手伝ってもらったじゃない。ピアノも。直君の演奏、やけに揺れててね。あのこ結構、正確に弾くほうだけどちょっと変だったのよね」
「へー。そんなところで……。さすがですね。直樹さんには言わないでほしいんですが……」
緋紗は直樹が検査の結果で落ち込んでいたことを話した。
「ああ。そうだったの……」
和夫がため息交じりに「そりゃ――。ショックだろうなあ。」直樹のことを想って言葉を発した。
「緋紗ちゃんは欲しいの?」
小夜子は素朴な疑問を投げつけるように聞いてきた。
「いえ。そう思ったことはないんです。私、母性にかけてますかね……」
「母性ってどこで発揮されるかわからないけど。今は直君に全部発揮されてるのかもね。まあ欲しくなったらその時はその時でね。出来ないわけじゃないんだし」
「うんうん。今は直樹を頼むな。あいつ緋紗ちゃんがいないとダメな奴だからなあ」
「あ。はい」
顔を少し赤らめて緋紗は直樹のことを想った。(直樹さんだけいれば私は満ち足りている)
そんな緋紗を見て小夜子はニヤニヤしながら斜め上を見て言う。
「そういえば緋紗ちゃんがここに初めて来たときのあと、やっぱりゴールデンウィークだったかな。和奏を妊娠してるときね。直君がここ手伝ってくれてピアノ弾いてくれたんだけど。その時も揺れてたわよねえ。しかもあのこがモーツアルトなんか弾いてたわ。きっと緋紗ちゃんのこと想ってたのね。ふふふ。ピンクのモーツアルト」
和夫も「ああ。あんときのあいつ珍しく機嫌よく弾いてたよなあ」と相槌を打つ。
「あ、そうですか」
人から聞くと恥ずかしいなと思いながら、お茶の残りを飲み干して緋紗は片付けてアトリエに向かった。