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スカーレットオーク2
第20章 20 誕生
緋紗が入院している間に、直樹は実家に寄った後ペンションを訪れて和夫に出産の報告をした。
「よかったなあ。お前が父親かあ。まったく想像できなかったなあ」
笑いながら感慨深そうに言う和夫に直樹も率直な感想を言う。
「まだ父親って実感ないけどね」
「そんなもんだよ」
「しかし、あれだね。男ってなんかああいう時の無力感ってすごいね」
「そのせいかなあ。他のこと俺が全部してやるから頑張ってくれって思ったよ」
「ああ。わかる」
直樹は緋紗の輝いた笑顔を思い出していた。
「小夜子。綺麗だったなあ……」
思い出したかのようにいう和夫の言葉を聞くと、直樹はピアノが弾きたくなった。
ピアノのカバーを取りふたを開け鍵盤に優しく指を置き、アヴェマリアを弾きはじめる。
「よかったなあ。お前が父親かあ。まったく想像できなかったなあ」
笑いながら感慨深そうに言う和夫に直樹も率直な感想を言う。
「まだ父親って実感ないけどね」
「そんなもんだよ」
「しかし、あれだね。男ってなんかああいう時の無力感ってすごいね」
「そのせいかなあ。他のこと俺が全部してやるから頑張ってくれって思ったよ」
「ああ。わかる」
直樹は緋紗の輝いた笑顔を思い出していた。
「小夜子。綺麗だったなあ……」
思い出したかのようにいう和夫の言葉を聞くと、直樹はピアノが弾きたくなった。
ピアノのカバーを取りふたを開け鍵盤に優しく指を置き、アヴェマリアを弾きはじめる。