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第3章 中学１年生

　女子生徒は、ブルマーに賛否両論で、ブルマーは恥ずかしから廃止という派閥の女子は｢前橋市や高崎市みたいに女子のブルマーを廃止してハーフパンツか、男子のブルマーの上に短パンを重ね履きをさせて欲しい｣という意見もあれば、逆に運動部系の女子生徒からは｢身体にフィットした方が動きやすい。自分の身体に自身の無い女子の戯言、むしろ恥ずかしくない体型にする努力をしろ｣という厳しい意見を言う女子も居た。

　従来から存在していた物を、廃止したり存続維持するのは多数決よりも、田舎の中学校としては運動部で県大会や様々な活躍で学校の名を世間に広めてくれる運動部の女子の声が大きかったらしい。
　
　ようやく終わり。

　帰ろうとしたら部活の勧誘や、仮入部の受付が校門まで続く。

　沙耶香は、案の定｢新体操とかしていた？｣とかレオタード姿の上級生に即座に囲まれてしまう。

｢美人ねぇ｣

｢美少女って奴。ねたましい。あの男子は彼氏？｣

｢名前聞かせて・・・・・・｣

体操部の上級生達は、沙耶香の名札を見て顔色を変えて後ずさりした。

｢伊藤・・・・・・まさか・・・・・沙樹と顔が似ているかも・・・・・・｣

｢えーとお姉さん居る？｣

沙耶香は慣れた顔で｢３年の伊藤沙樹。姉です｣

体操部員達は困惑した顔だ。

ヤバイ女に声を掛けたという感じで困っている。

沙耶香は｢失礼します｣とペコリと頭をさげると自分の手を引いて歩き出す。

背中で、体操部員達が｢入学して早々、男連れかぁ。さすが沙樹の妹｣と話し声が聞こえた。

校門を出るときに、沙耶香は耐えきれずに泣き出した。

しゃがみ込んしまい。

泣き止むまで自分は慰め続けた。

近くの公園で沙耶香の話を聞いた。

｢沙樹姉ェの話は、田舎の中学校だと徹底的に女子からは嫌われ男子からは好かれる面倒な女子の典型的行動なのよ。おまけに小学校６年生で男性経験がある女子だよ。男子の間では気軽にエロ話に乗ってくれる。または仲良くなれば股を開いてくれる下心もあると思う。でも女子の世界は厳しいのよ。沙樹姉ェの行動は他の女子からすれば軽蔑される行動なのよ」

　沙耶香は、大きく溜息をついて

｢アタシも直ぐに、エッチできる軽い女だと思われているのね。悔しいけど｣

自分は経験不足だ。

なんて声をかけて良いか解らない。

無力だと感じた。