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教えて、あなたのキモチ
第6章 まさかの遭遇
「だめじゃないですか寝てないと」
「寝てた所にお前が来たんだろ」
「…それは失礼しました。じゃ休んで下さい」
人様の家ではあるが、パンプスを無造作に脱ぎ捨てて、ぐいぐいと背中を押しながらリビングへ連れていく。
間取りは私の部屋と同じようだ。高そうな黒い革張りのソファが目に入った。
高給取りの片鱗が見える。
しかし今はそんなことを気にしている場合ではない。
「熱計ったんですか?ご飯は?」
「…7度8分。飯はだるくて食う気しない」
「薬は…?」
「まだ。寝てりゃ治る…っ」
苦しそうに言葉を発した後、ゴホゴホと咳込む篤哉さん。
「伝染るぞ。帰れ」
「病人を見て見ぬふりして帰れません。お節介だと思うならそれでいいです。見返りなんて求めてないですから。…ただの、いつかのお礼です」
「…あっそ。俺は寝室で寝てるから」
そう言って篤哉さんはフラリと寝室へ姿を消した。
「寝てた所にお前が来たんだろ」
「…それは失礼しました。じゃ休んで下さい」
人様の家ではあるが、パンプスを無造作に脱ぎ捨てて、ぐいぐいと背中を押しながらリビングへ連れていく。
間取りは私の部屋と同じようだ。高そうな黒い革張りのソファが目に入った。
高給取りの片鱗が見える。
しかし今はそんなことを気にしている場合ではない。
「熱計ったんですか?ご飯は?」
「…7度8分。飯はだるくて食う気しない」
「薬は…?」
「まだ。寝てりゃ治る…っ」
苦しそうに言葉を発した後、ゴホゴホと咳込む篤哉さん。
「伝染るぞ。帰れ」
「病人を見て見ぬふりして帰れません。お節介だと思うならそれでいいです。見返りなんて求めてないですから。…ただの、いつかのお礼です」
「…あっそ。俺は寝室で寝てるから」
そう言って篤哉さんはフラリと寝室へ姿を消した。