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教えて、あなたのキモチ
第1章 パーティーと言う名の合コン
「鷲宮主任には負けますよ」
「ん?まぁ俺はちょっと通勤に時間かかるから早めに家出てるだけだよ」
それはそうですけど、そうは言ってもと思いながら、ふと腕時計に視線を落とす。まだ始業30分前。フロアには私達以外いない。
「私コーヒー淹れてきますけど、いかがですか?」
「あぁ、ありがとう。ブラックでね」
「了解です」
「唯衣ちゃん、俺にも一杯ちょうだい」
振り向くと、声の主は同僚の小橋匠海。同期入社ということもあって、仲が良く、お互い下の名前で呼びあっている。
「あ、匠海くん。おはよう」
「おはよー。唯衣ちゃん。そのバレッタ可愛いね」
挨拶のついでに容姿を褒めるのが彼のスタンスらしい。同じ部署はもちろん、他の部署の女の子も同様に褒めている。
『おはよう、今日も綺麗だね』
『〇〇ちゃん、口紅の色変えた?前のもよかったけど、こっちのが可愛いよ』
こんな具合だ。フランス人かイタリア人か。もうとっくに慣れてしまった。
「はいはい、ありがとね」
と軽く受け流す。
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