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第8章 本心を知る時

「私に言わせるんですか？まだちゃんと聞いてません。篤哉さんの気持ち」
面食らったような顔をしている。
「やっぱ気が強いな」
「ちょっ…」
「最後まで聞け。…一度しか言わないから」
「…はい」
少しだけ背筋を伸ばして、篤哉さんの目を見据える。
「あの会場で声をかけたのは目を惹かれたからで、まぁ話してみて気が強い子だとは思ったけど。再会してみればいろんな表情見せるし、かと思えば泣き虫だし…」
「…」
「決定的だったのはこの前ダウンしてた時。無防備な顔して寝てるし、風邪さえ引いてなければ抱いてた」
「な、何を言って…」
「煽り過ぎなんだよ。俺のこと。今だって理性保ってるのギリギリだ。分かれよ。それくらい好きだってこと」
胸の鼓動がやたら大きく響く。
「好きだよ。唯衣」
やばい。また、視界が潤む。
「あーあ…また泣くし…」
「…嬉し涙です」
知ってる、と優しく囁かれた後、唇が重なった。
ちゅ、と軽くリップ音を立てて離れた後、どちらからともなく肩に手を回して、再び口づけ合った―。


～end～

→あとがき