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教えて、あなたのキモチ
第2章 商談のお供
「…ところでどうしてここに?」
出力した用紙をトントン、と揃えながら訊ねる。
「あれ、聞いてない?商談の件」
合点がいった。昨日眞鍋さんが資料室にいたのは商談に向けた情報収集のためだ。彼が同行者だ。
「お世話になります、総務部の池澤唯衣です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。営業課の眞鍋航生です」
あらたまって挨拶すると何となく照れが生じてしまう。
「あの、私おおまかにしか聞いてなくて…詳細ってご存知ですか?」
「相手先は白河建商。卸値の交渉が目的だ」
「たしか貿易会社ですよね。常務がハ…おでこの広い」
いけない、口がすべった。
来社経験のある方は記憶に留めておくようにしている。受付で二度目に案内する時に親しみを込めて名前を呼べるように、と新人の頃研修を受けたからだ。
出力した用紙をトントン、と揃えながら訊ねる。
「あれ、聞いてない?商談の件」
合点がいった。昨日眞鍋さんが資料室にいたのは商談に向けた情報収集のためだ。彼が同行者だ。
「お世話になります、総務部の池澤唯衣です。よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします。営業課の眞鍋航生です」
あらたまって挨拶すると何となく照れが生じてしまう。
「あの、私おおまかにしか聞いてなくて…詳細ってご存知ですか?」
「相手先は白河建商。卸値の交渉が目的だ」
「たしか貿易会社ですよね。常務がハ…おでこの広い」
いけない、口がすべった。
来社経験のある方は記憶に留めておくようにしている。受付で二度目に案内する時に親しみを込めて名前を呼べるように、と新人の頃研修を受けたからだ。