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教えて、あなたのキモチ
第2章 商談のお供
―翌日。
午前中の仕事が一区切りついて肩を伸ばしていると、山崎部長とふと目が合った。
ちょいちょいと手招きしている。
「商談の件だが、詳しい日程が決まった。来週の金曜日、午後2時から。伊豆のニューグリーンホテルで、だ。相手先は営業の眞鍋くんから聞いて…」
視線を向けられ、頷いてみせる。
「…まぁ、なかなか手強い相手なんだが、なんとか頼むよ。交通の往復のチケットは今手配中だから、前日に渡す予定だ」
「はい、分かりました。では、…失礼します」
自分のデスクに戻って、忘れないうちに予定を書き込もうと手帳を開く。そういえば今日は水曜日だった、とふと気がついた。
仕事終わりにクリーニングを受け取り、そのまま8階の篤哉さんの部屋番号を押す。
『はーい。どなた?』
聞こえてきた声は女の人のもの。ちょっと鼻にかかった高い声。
部屋番号は間違えていない。814号室。
(彼女、いるんじゃない…)
私は問いには応えずに、自室へと引き返した。
午前中の仕事が一区切りついて肩を伸ばしていると、山崎部長とふと目が合った。
ちょいちょいと手招きしている。
「商談の件だが、詳しい日程が決まった。来週の金曜日、午後2時から。伊豆のニューグリーンホテルで、だ。相手先は営業の眞鍋くんから聞いて…」
視線を向けられ、頷いてみせる。
「…まぁ、なかなか手強い相手なんだが、なんとか頼むよ。交通の往復のチケットは今手配中だから、前日に渡す予定だ」
「はい、分かりました。では、…失礼します」
自分のデスクに戻って、忘れないうちに予定を書き込もうと手帳を開く。そういえば今日は水曜日だった、とふと気がついた。
仕事終わりにクリーニングを受け取り、そのまま8階の篤哉さんの部屋番号を押す。
『はーい。どなた?』
聞こえてきた声は女の人のもの。ちょっと鼻にかかった高い声。
部屋番号は間違えていない。814号室。
(彼女、いるんじゃない…)
私は問いには応えずに、自室へと引き返した。