この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
教えて、あなたのキモチ
第2章 商談のお供
「まず、こちらの資料をご覧ください」
作成した資料に沿って、説明を進めていく。
時おり相手側の反応をうかがいながら。
「こちらからの説明は以上です。ご質問や補足が必要な所があればおっしゃって下さい」
「う…む、なるほど」
笑い方だけ立派な部長はすっかり黙っている。
「一つだけよろしいかね」
―来た。ハゲ常務。
思わずごくり、と息を呑み込む。
「理屈は通っているのはよく分かる。資料も申し分ない。ただ、ビジネスは利益追求が主にある。ビジネスにおいて、大事なのはなんだとお考えかね?」
「お客様―言うなれば顧客との信頼です。打算だけでは利益は生まれませんから。信頼が積み重なることで得意先という厚みになる」
「…ほう。質問を変えよう。池澤さん、と言ったかな。信頼のために必要なものは何と?」
「…思いやりです。一方通行ではなく、相手が何を求めてるかによって、こちらが提供できる最大限のものを用意することです」
作成した資料に沿って、説明を進めていく。
時おり相手側の反応をうかがいながら。
「こちらからの説明は以上です。ご質問や補足が必要な所があればおっしゃって下さい」
「う…む、なるほど」
笑い方だけ立派な部長はすっかり黙っている。
「一つだけよろしいかね」
―来た。ハゲ常務。
思わずごくり、と息を呑み込む。
「理屈は通っているのはよく分かる。資料も申し分ない。ただ、ビジネスは利益追求が主にある。ビジネスにおいて、大事なのはなんだとお考えかね?」
「お客様―言うなれば顧客との信頼です。打算だけでは利益は生まれませんから。信頼が積み重なることで得意先という厚みになる」
「…ほう。質問を変えよう。池澤さん、と言ったかな。信頼のために必要なものは何と?」
「…思いやりです。一方通行ではなく、相手が何を求めてるかによって、こちらが提供できる最大限のものを用意することです」